精密根管治療
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天然歯の維持にこだわる井上歯科医院の精密根管治療
【保険適用の根管治療終了のお知らせ】
保険治療(肉眼)での根管治療は、再治療のリスクが高く患者さまの歯を健康に長く維持させることは難しいという結論に至りました。
そのため、2022年12月をもって根管治療は顕微鏡を使用した自費治療のみとさせていただきます。なお、根管治療後のかぶせ物に関してもすべて自費治療になりますことご了承ください。何卒、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
井上歯科医院では出来る限り「抜かない・削らない」をモットーに、天然歯の保存に力を入れております。そのため、抜歯率の高い重度の虫歯に行う「根管治療(歯内療法)」の際には、マイクロスコープ(顕微鏡)などの有用性の高い機器を用いた精密治療をご提案しております。ご自身の歯で生涯生活したいとご希望の方は、ぜひ処置精度にこだわった当院の精密根管治療をご検討下さい。
※当院の根管治療は、根管治療専門医ではございません。顕微鏡を使用して精密な治療を心がけております。
根管治療とは?
根管治療(こんかんちりょう)」とは、むし歯によって死んでしまった歯の神経や血管を取り除き、神経や血管が入っていた管(根管)の中をきれいに清掃・消毒する治療です、「歯の根の治療」や、「歯の神経の治療」と呼ばれます。
虫歯が進行したり、事故などで歯の歯神経が死んでしまった場合は、残念ながらその神経を取り除かければなりません。神経を取り除くと、その神経が入っていた穴を埋める作業を行わなければなりませんが、この根管、大変深く、暗く、見づらいため、穴の清掃が難しく、細菌や汚れが残った状態になりやすいのです。
その状態で穴埋めしてしまうとその穴の中で細菌が繁殖し、表面には現れない状態で感染は進み、歯や歯ぐき、骨の病気が起こってきます。気づいたときには抜歯が必要。。。なんてことも多々あります。神経を取り除いた歯を一生使い続けられるかどうかは、根管治療にかかっています。
根管治療の精度向上のための対策について
根管治療の際、ファイルと呼ばれる細い爪楊枝のようなもので根管内の汚れをお掃除するのですが、根管は大変小さく、非常に困難を極めます。
▼右上6番目の奥歯の構造
▼右上6番目の奥歯の根管治療の説明
動画で見ると上記のような感じです。そのため、井上歯科医院では下記の8つの工夫を行うことで制度の高い根管治療の提供を目指しております。
マイクロスコープ(顕微鏡)精密治療
肉眼のおよそ24倍に視野を拡大することにより、狭くて暗い根管の内部を目で確認しながら処置が可能となります。そのため、感染物質の取り残しや未処置の根管の見落とし防止などに力を発揮し、精度の高い根管治療が行えます。
CTによる精密検査
より的確な処置を可能にするため、歯科用CTでの精密検査を行います。一般的なレントゲンでは確認が難しい根管のひびや歯根の先端にできた病巣の発見、複雑な根管の形状把握に効果的です。
ラバーダムの使用
ラバーダムとは、処置が必要な歯のみを口腔内から隔離するためのゴム製シートです。隔離することにより、細菌を含む唾液の侵入や治療器具の誤飲を防止します。根管内の無菌化を行うために、必須の器具です。
ニッケルチタンファイル
根の根っこは湾曲していますが、この中をお掃除したり削ったりする場合に、通常のステンレス製の器具ではしならず、隅々まで治療を行うことに大変時間がかかります。それに比べ、このニッケルチタンファイルは弾力性があるため、湾曲部分にもフィットしやすく、根管治療の迅速化につながります。
マイクロエキスカ
根管は狭いため、繊細な処置が必要となります。そこで活躍するのがマイクロエキスカです。マイクロエキスカは、何種類も使用します。汚れをかき出して洗浄し、吸引して、顕微鏡で確認してかき出す、洗浄、吸引これの繰り返しをしています。
CO2レーザーで根管内の殺菌
CO2レーザーは殺菌効果があります。当院では、必要に応じて根管治療の際にCO2レーザーを照射し、根管内の殺菌を行います。処置が難しい枝分かれした根管や湾曲した根管内の細菌を蒸散させることで、治療後の再発リスクを軽減します。
緊密性の高い充填剤
感染物質を綺麗に取り除いた後は、根管を埋める作業が必要になります。少しでも隙間が生じると細菌が繁殖するスペースとなるため、当院では隅々までしっかり埋め込める緊密性の高い充填剤を使用しております。
MTAセメント
水硬性セメントのことで、虫歯や歯科治療によって歯の底に穴があいた箇所をセメントの要領で埋める場合や、歯にひびが入った時などの接着に用いています。また、このMTAは強アルカリ性ですので殺菌効果も高く、根管内の無菌化向上にも効果的です。
精巧なクラウン
根管治療の仕上げは、クラウン(かぶせ物)の製作と装着です。再発リスクを最小限に抑えるためには、精密な根管治療に加え、適合性の高い精巧なクラウンが必要不可欠です。そのため当院では、自費診療にて適合性・機能性にこだわったクラウンの製作をおすすめしております。
マイクロスコープ(顕微鏡)を用いた根管清掃の精度について
根管治療の再発リスクを軽減するためには、根管内部に感染物質・汚れを残さないことが重要です。根管清掃において、肉眼とマイクロスコープ(顕微鏡)での処置精度を確認してみましょう。
肉眼での根管清掃
肉眼では根管内の状態をしっかりと視認できないため、汚れやカスが残った状態で消毒液を入れてしまう可能性があります。その場合には消毒液の効果がなくなれば再発するかもしれません。
マイクロスコープ(顕微鏡)での根管清掃
マイクロスコープ(顕微鏡)を用いることで、根管内の状態を常に確認することができ、的確な処置が可能となります。
マイクロスコープ(顕微鏡)を使用した方が、根管内がキレイになっていることがお分かりいただけると思います。
根管治療の流れ
根管治療とは、根の中に残っている神経の処置です。根はとても細いので、慎重に治療を行ないます。そのため、治療回数が多くかかることがあります。根の治療中はお薬を効果的に作用させるため、間隔を空けずに通院して頂く事が必要であり、重要な事です。
① むし歯の部分を削る
神経の残っている歯には痛みのないよう麻酔を用いて処置を進めます。
② 根の中の処置
針のような専用の器具を使って歯の内部の神経を取り除き消毒を行います。
③ 根の長さを測定
電気抵抗を利用して根管の長さを測ります。
④ レントゲン撮影
レントゲンを撮影、根の長さ・状態を確認します。
⑤ 貼薬
根の中に殺菌効果のあるお薬をいれてその上から仮のフタ(又は仮歯)をつけます。痛みの強い方など場合によってはフタをしないこともあります。
⑥ 最終的なお薬を詰める
根の状態が良くなった時点で根管を閉鎖させるために最終的なお薬をつめます。
⑦ レントゲン撮影
根の先までしっかりお薬が入っていることをレントゲンで確認します。
⑧ 根管治療後は・・・
歯の土台、かぶせものを作製していきます。治療回数は、3回〜5回前後かかります。自費治療は、保険治療の枠にとらわれず、お口(歯や歯ぐき、噛み合わせなど)にとって最良のものが提供できます。
⑨ 治療後の注意点
数日間、痛みや違和感のある方もいらっしゃいますが、1週間前後で落ち着けば問題ありません。気になることがある場合はご連絡下さい。
歯根端切除や再植術にも対応しております
歯根の先端に細菌が繁殖して膿が溜まる根尖病巣などの症状は、通常の根管治療では症状を改善することが難しく、多くの場合抜歯と診断されることとなります。そのような場合には、歯肉を切開した後、溜まった膿の摘出と感染した歯根を切除する「歯根端切除術」を実施して歯を抜歯からお守りします。
また、奥歯の根尖病変には位置的に適切な歯根端切除術が難しいため、一度歯を意図的に抜く「再植術」を併用します。抜歯後にお口の外で感染歯根の切除を行った後に元の場所に戻して症状の改善を図ります。
神経治療(根管治療)の具体的な実情
患者さまから「神経を取ったのに歯が痛む!」「むし歯おかしい?」「なんでですか?」「根の先が膿んでる?どういうこと?」と聞かれることがあるのですが、実は、神経治療(根管治療)というものは非常に難しく肉眼では見えないところを見るようにして治療をしているのです。(ということは、見えているかは???)
頑張って汚れを取っているのですが、見えないものをきれいにすることには限界があるのです。ですから根管治療を成功させるには、マイクロスコープ(顕微鏡)を使って拡大して汚れを最大限取り除くことが重要なことの1つに挙げられます。ほかにも色々あります。
下記に、患者さまのご協力のもと神経治療(根管治療)の時の写真をアップしました!みなさまの疑問なことの解決の役に立てればと思いました。
①奥歯を上から見たところです。(鏡に反射した絵を見ながら治療してます)
②色々と汚れを取りました。上の写真と比べると神経の入っていた穴が丸でないことにご注目ください。(でも、防腐剤は、丸い形なので隙間ができる可能性あり!!!)
③気合いを入れて1時間治療しました。しかし、まだ、汚れが残っていました!悔しい!次回もしつこく治療します!少し、ご理解頂けましたか?
神経治療(根管治療)の具体的な実情(リーマー除去編)
根管の清掃の際に使用する器具の一つに「リーマー」と呼ばれるものがあります。(画像左)
根管治療には、この細長い針のようなものを使用して狭く、暗く、湾曲している神経が入っている根管を丁寧に清掃していく工程があります。
しかし、このリーマー、粗悪な種類を利用していたり、ムリに力を入れて使用すると、清掃している時に、根管の中でボキッと折れてしまうことがあるのです。ここで、リーマーをすぐに除去できれば良いのですが、この折れてしまったリーマーを除去せず、そのまま放置して根管の中に残したまま、根管治療を終え、被せものをしてしまうというケースが多々見受けられます。
そのまま放置していると、折れたリーマーのあるその先の部分の清掃ができませんし、なにより異物が根管の中に残ったままにするなんてあってはいけません。
では、なぜ放置するケースが多いのか?理由としては、そもそも折れたことに気づかない、気づいても見えづらいのであきらめているなどなどの理由が考えられます。しかし、井上歯科医院では、これを慎重に取り切るようにしています。
下記に、他医院で根管治療をした際に、折れたリーマーがそのままになっていて、根管の炎症が再発し、再度根管治療を施したケースをご紹介します。
リーマーに関する実情、ご理解いただけたでしょうか?患者さまからすると、「えっ!?折れたものを歯の中にそのまま放置している歯医者さんなんているの!?」という感じでしょうか?昨今、医科の分野で、オペ後の体内から手術器具が見つかるという医療ミスが大問題になっています。
リーマーの件は生死に関わる問題ではないですが、それと似たようなものが起こっており、生死に関わらないからOKということは絶対にあってはなりません。井上歯科医院では、マイクロスコープ(顕微鏡)を使用して、安心・安全な根管治療を行っておりますので、歯の神経の治療をご希望の方は、ぜひ、ご来院ください。
再発した根管病巣の再治療(再根管治療)について
l銀歯などの被せ物をしていらっしゃる方は、ほぼ確実に根管治療を受けていらっしゃいます。重度の虫歯治療の際は、削る部分が多いので被せ物をつけることになり、重度の虫歯の際には虫歯菌が神経の通っている根管に入り込み、病巣を作ってしまうからです。
その根管治療をした際に精密な根管治療がなされていない場合、50%を越える確率で再発してしまいます。これを治療することを”再根管治療”と呼びます。再根管治療をはじめ、その他の根管治療症例は以下よりご覧ください。
根管治療の費用(目安期間:2~4ヶ月 回数:1~4回)
名称 | 料金 |
---|---|
マイクロスコープ(顕微鏡)使用の根管治療(CT含む)) | 77,000円(前歯) 88,000円(小臼歯) 99,000円(大臼歯) |
ラバーダム | 5,500円 |
根管治療の保証
根管治療 | 5年 |
保証についての注意事項をご確認ください。
自費診療のお支払い方法
井上歯科医院の自費診療のお支払いは、現金・各種クレジットカードをはじめ、ジャックスのデンタルローンをご利用いただけます。
ジャックスデンタルローンについて
ジャックスのデンタルローンを利用することにより、月々負担の少ないお支払いで自費診療(根管治療・セラミックス・インプラント・矯正治療など)を受けることができます。
【ジャックスデンタルローンの特徴】
神奈川県藤沢市で再発を抑えた精密根管治療をご希望の方へ
井上歯科医院では再発率の高い根管治療に対して、マイクロスコープ(顕微鏡)やCTなどの有用性の高い精密機器を用いた精度の高い処置に努め、可能なかぎり天然歯を維持していただけるよう心がけております。神奈川県藤沢市で再発率の軽減、抜歯回避に努めた精密根管治療をご希望の方は、ぜひ一度当院へお気軽にご相談下さい。