根管治療と部分矯正を併用した前歯の治療症例
根管治療と部分矯正を併用した前歯の治療症例
初診時の口腔内写真です。こちらの患者さまは、前歯が腫れた(今まで何回も取れて、ちゃんと治さないといけないと思った)との主訴で来院されました。
注:黄○のところが腫れています(歯ぐきや骨の中に膿やばい菌がいる可能性があります)
術前のレントゲン
術前のレントゲン写真です。神経は既に取っている状態です。黄色○の部分に黒い影が確認できたため、CTによる精密検査を行いました。
診査・診断結果を基に患者さまと相談し、顕微鏡(マイクロスコープ)使用の根管治療を再度実施することになりました。
根管治療の実施
部分矯正の実施
前歯の部分矯正を実施します。形状記憶合金ワイヤーを両隣の歯に接着して下方向へ出てくるようにします。※下方向へ歯が延びることを考慮し、仮歯はあえて短くしておきます。
部分矯正治療前後の比較
歯茎の見た目を整える外科処置の実施
矯正終了後、歯と一緒に引っ張られた歯茎を元の位置に戻す手術をしました。術後、歯茎の安定を待ちます。
仮歯の再製作
仮歯を作り直します。歯の大きさ・歯の形・表面の形・方向・歯の厚みなど、色々なことを患者さまとお話して仮歯を作りこんでいきます。(時間は、かかりますがとても大切な時間だと思っています。)
最終的なセラミッククラウンの製作
色の見本を用いて、セラミックの色調を確認します。また、顔に対して歯がどの位置にあるのか等を記録します。(必ずしも顔と平行に歯が並んでいることはないからです。例えば、歯と骨格にズレがあるときもあります)こういう場合は、患者さまとお話しして歯の方向の微調整が必要になります。(ここでも患者さまとのお話が大切です)
歯の形を取り、模型にしたところです。歯と歯茎の境目をきれいに出すことで精密なセラミックスが出来ます。(※歯科医師と歯科技工士の顕微鏡の使用は必須です)
歯科技工士(セラミックス製作のプロフェッショナル:当院HP紹介の清水先生>>)にお願いした最終的なセラミッククラウンが完成しました。
セラミッククラウンの試適
仕上げ前に実際に口に入れ、セラミックスの形、色、方向などを患者さまと一緒に確認します。
治療完了
最終的な調整が完了後、お口に装着して治療完了です。
顕微鏡(マイクロスコープ)での治療は肉眼に比べて、下記のような点が優れていると考えており、大変おすすめです。
- 歯を削る量がすくない(自分の歯を残す量が増える可能性がある)
- 精密な治療ができる(歯垢が残りにくいのでむし歯や歯周病予防につながりやすい)
- キレイな仕上がり(治療した部分と天然歯との境がわかりにくいので満足度が高いです)
年齢/性別 | 30代男性 |
---|---|
治療期間 | 10ヵ月(根管治療+矯正+外科手術含む) |
治療回数 | 16回 |
治療費 | 精密根管治療/77,000円(CT代含む) 部分矯正(M.T.M)/220,000円(1ブロックエリア・今回は前歯のみ+外科手術を含む) コア(ファイバー+レジンコア)/22,000円 オールセラミッククラウン/165,000円 合計 484,000円 すべて税込(保険診療・歯周病治療は含みません) |
リスク・注意点 | ・すこしでも長く維持させるために普段からの歯ブラシでむし歯予防をしましょう。 ・長期維持、安定をさせる為に定期検診・メインテナンスが重要です。 |